Boy met ....Ⅳ

やっと雲雀に会う似非リボーン夢第四弾。

主人公の名前は固定で『西口　錬』
ちなみに男装中の偽名です。
ちなみにやっと雲雀と対面です。
ちなみに原作沿い書こうかなぁと本気で思い出してます。

近ごろ朝は出来るだけ早く家を出る事にしている。

皆と同じ時間帯だと校門に風紀委員がいて校門検査をしだすからだ。

風紀委員も人間。

早朝から校門検査をしているわけではなく、大半の生徒が登校し出す時間から行うので、それよりちょっと早く校門を潜れば問題無い。

何日かしたら諦める筈だ。

筈だと思った。

 

「・・・・・」

 

・・・・・何か居るんですけど。

 

昨晩の先見の結果。

朝の校門に風紀委員の姿は無かった。

今朝は用事が出来たから通常通学時間に登校するようにしていた。

 

「いつまで止まってるの？」

 

貴方が原因です。

ちょっとでも鮮明な先見を、と学校内限定していた為これは予想出来なかった。

失敗した。

 

「道を開けてくれませんか・・・？」

彼はフッと笑った。

やばいよ。なんか先見しなくてもこの先が分かってしまう。

 

「君を噛み殺したらね」

 

やっぱり・・・・。

 

 

 

朝っぱらから通学路を塞いでいるのはトンファーを構えた学ラン姿の並盛中生。

並中の生徒及び教師ですら彼を前にしたら恐れおののき上がる頭も無い。

並盛中学校風紀委員委員長にして、不良の頂点に君臨する並盛中学校最強の男・雲雀恭弥。

その彼が楽しそうな顔をして錬の目の前にいる。

「俺、何か悪い事しましたか？」

「別に」

「だったら通して欲しいんですけど」

「大丈夫。救急車呼んであげるし、学校にも連絡しといてあげる」

「何にも大丈夫じゃないんですけど」

トンファーが胸の高さまで上がる。

聞く気は全く無いようだ。

マジで勘弁です。

 

――ガンッ

 

「っ痛――」

 

鞄を盾にしたけど、容赦無くトンファーを振るわれたので塀に体をぶつけてしまった。

「へー。防いだのはまぐれ、それとも実力？」

「一般人になにっ――！！」

自分が彼の嫌いな弱い草食動物だと分からせてしまえばいいのだが、それには彼の攻撃を正面にくらい、さっさと地に伏さなければならない。

つまり怪我をしろという事。

下手に芝居を打ってもバレそうだから今まで風紀委員に捕まった時彼が来る前に逃げていた。

しかしつい三日前に突如先見に雲雀恭弥が現れた。

最悪の出会いを避けるべく校門検査に引っ掛からないように登校し、毎日彼が居ないか周りを気にしていた。

お陰でツナ達とのんびりご飯も食べれない。

 

錬が攻撃を防いだ事に幾らか出来ると確信したのだろうか、退いてくれないかなぁという淡い期待は見事に打ち砕かれている。

こうなったら逃げるが勝ち・・・・といきたい所なのだが今日はそうもいかない。

大切な用事があるのだ。

 

――プップー

 

後方からのクラクション。

見れば派手な乗用車が住宅地の道とは思えないスピードで走って来る。

危ないが道路の隅に居れば錬と雲雀に実質的な被害が及ぶ事は無い。

 

だが、先に述べたようにここは住宅地なのだ。

 

「チッ」

錬は後方の車を見た後舌打ちをして前に走ろうとした。

「逃がさないよ」

雲雀は退く気無し。

第二撃目を繰り出して来る。

しかし今は彼に付き合っている時間は無い。

錬は彼のトンファーをかわして飛び上がった。

「また今度」

非常識極まりない彼の頭に片手を乗せて頭上を飛び越えた。

雲雀の頭にそれ程大きな反動は無く、錬の運動能力が伺える。

雲雀が驚き振り返るのと同時に横をあの車が通った。

＊＊＊

 

 

錬は兎も角全力で走った。

後方からの車はもうすぐそこ。

広いとは言えない路地の十字路を目指す。

幾つかの声が聞こえて来た。

そして角からランドセルを背負った男の子が飛び出してきた。

まさに車の真ん前に。

運転手が急ブレーキを踏み、キッキーとタイヤから悲鳴が上がるが、こんな時に子供が咄嗟に反応出来るわけも無い。

道路に飛び出した子が自分に迫り来る物を見るのと同時に錬は思いっきりアスファルトを蹴る。

 

 

そして車の衝突音が鳴り響いた。